鈍色

COLOR ENCYCLOPEDIA#636466
にびいろ

鈍色

Nibi-iro

鈍色は、薄墨や濃い鼠色を思わせる暗い灰色です。平安時代の喪服や凶事の装束に用いられた歴史を持つ、日本の伝統色です。

HEX
#636466
RGB
99, 100, 102
HSL
220.0°, 1.5%, 39.4%
CMYK参考値
2.9%, 2.0%, 0.0%, 60.0%

※ CMYKはICCプロファイルを使用しない一般的な参考換算値です。印刷条件によって値は異なります。

鈍色の意味

鈍色は「にびいろ」と読み、暗い灰色、あるいはわずかに藍みを含む薄墨色を表す日本の伝統色です。「にぶいろ」と読むこともあります。現代の無彩色グレーに近く見えますが、歴史的な染色では薄墨に藍を加えたような色として説明されることがあり、単純な黒と白の中間色だけではありません。平安期には喪の色として用いられ、亡くなった人との関係によって濃淡を変える慣習もありました。

鈍色の名前の由来

「鈍」は、色が鮮明でなく沈んで見える状態を表し、鈍色は華やかさを抑えた暗い灰色を指す名称です。日本大百科全書ではやや藍色みのある薄墨色とされ、講談社の色名辞典では薄墨に藍をさした染色の伝統色として説明されています。灰や墨の色を基礎にしながら、染めの濃度や藍の加わり方によって色幅が生まれました。 「薄墨色」とも近い表現ですが、鈍色には喪の装束という歴史的文脈が重なり、単なる現代グレーとは異なる文化的な意味が加わっています。

鈍色の歴史

鈍色は平安時代以降、公家社会の喪服に用いられた重要な色です。精選版日本国語大辞典には天暦8年(954)の記録に「鈍色衣」の用例があり、『宇津保物語』や『源氏物語』にも鈍色に関わる表現が見られます。喪に服する際は亡くなった人との関係によって色の濃淡を変えたとされ、色が社会的な規範を示す役割を持っていました。その後、喪服の慣習は変化し、近代には黒が中心になります。一方、江戸時代には鼠色系が流行したため、鈍色に近い沈んだ灰色も日常の装いに受け入れられるようになりました。 そのため古典作品を読む際には、色の濃淡が服喪の度合いを示す情報にもなります。

鈍色と文化

鈍色は、平安文学や有職故実、喪の装束を理解するうえで欠かせない色です。『源氏物語』のような古典では、衣の色や濃淡が人物の立場や感情、喪の期間を伝える表現として機能します。現代では喪服色として日常的に使われる名称ではありませんが、和装、舞台、歴史作品、和のグラフィックで沈静・古雅な雰囲気を出す色として活用できます。生成り、墨色、藍色などと合わせると落ち着いた和の配色になります。

鈍色の印象・イメージ

静けさ、哀悼、渋さ、落ち着き、古雅といった印象を持つ色です。黒より柔らかく、明るい灰色より重いので、強い主張を避けながら深い空気感を作れます。生成りや白を合わせると余白が生まれ、藍色や深い紫を加えると歴史的で重厚な印象になります。 彩度の低さが感情を抑えた雰囲気を強めます。

鈍色の使われ方

和装、歴史・文学系のデザイン、寺社や伝統文化の印刷物、陶器、内装、パッケージ、Webの背景・文字色などに使えます。暗い鈍色を背景にする場合は白系文字が合いますが、代表値によっては十分なコントラストが必要です。現代の喪服の色を鈍色と断定するのではなく、歴史的な用法として説明するのが適切です。

SOURCE COMPARISON

資料による色の違い

伝統色や歴史的な色名では、資料や規格によって代表色値が異なることがあります。色しるべでは確認済みの資料値を並べ、代表値との差をΔE00でも比較します。

資料HEXマンセル代表値との差
非公開: カラーサイト.com 色名称データ#636466ΔE00 0.00
COLOR DIFFERENCE

鈍色と近い色を数値で比べる

下の「近い色一覧」とは役割を分け、ここでは近い3色について、明るさ・鮮やかさ・色相がどう違うかを比較します。

鈍色
スレートグレー
スレートグレーとの違い

やや暗い、鮮やかさも近い、色相も近い色です。

ΔE006.21明るさ差-0.062クロマ差+0.002色相差6.2°
比較ページで詳しく見る →
鈍色
Gunmetal
Gunmetalとの違い

明るさは近い、鮮やかさも近い、色相差は約44.6°色です。

ΔE006.62明るさ差-0.018クロマ差+0.017色相差44.6°
比較ページで詳しく見る →
鈍色
グレー
グレーとの違い

やや明るい、鮮やかさも近い、色相差は約95.5°色です。

ΔE007.12明るさ差+0.063クロマ差-0.003色相差95.5°
比較ページで詳しく見る →
SIMILAR COLORS

鈍色に近い色

CIEDE2000による色差ΔE00を使い、色しるべの登録色から近い色を表示します。

JAPANESE COLORS

鈍色に近い日本の伝統色

EXPLORE DIRECTION

鈍色から「もっと○○」な色を探す

OKLChの明るさ・クロマ・色相を基準に、現在の色から少し方向を変えた登録色を自動で選びます。

COLOR PALETTE

鈍色を使った配色

OKLChを基準に機械的に生成した配色候補です。実際の用途や文字の読みやすさに合わせて調整してください。

COLOR INDEX

鈍色の分類

COLOR DATA

鈍色の詳細な色彩データ

HEX#636466
RGB99, 100, 102
CMYK参考値2.9%, 2.0%, 0.0%, 60.0%
HSL220.0°, 1.5%, 39.4%
HSV220.00°, 2.94%, 40.00%
CIELABL* 42.3479 / a* 0.0323 / b* -1.2665
CIELChL* 42.3479 / C* 1.2669 / h 271.46°
OKLabL 0.503004 / a -0.000323 / b -0.003372
OKLChL 0.503004 / C 0.003387 / h 264.53°
相対輝度0.127263
白とのコントラスト5.92:1
黒とのコントラスト3.55:1
Lab・LChはsRGBからD65基準で算出しています。CMYKは印刷プロファイルを指定しない参考換算値です。

代表色値の出典・確認情報

該当箇所鈍色 #636466
色値確認日2026-09-08

色しるべ代表値 #636466 の参照元。

この色についての補足

「鈍色」には「にびいろ」「にぶいろ」などの読みがあり、法衣を指す「どんじき」という別の読み・意味もあります。歴史的な染色は濃淡があるため、単一のHEXだけで固定的に理解しないでください。

この色をもっと調べる鈍色