蘇芳とは?赤い染料を生む木と「蘇芳」の深い赤
蘇芳はアジアの熱帯域に由来する木で、材から赤系の染料を得るため利用されてきました。植物名と色名が同じ「蘇芳」に、染料植物としての背景があります。
蘇芳は、植物の名前であると同時に、深い赤系統の色名でもあります。その背景には、木の材から赤い色素を取り出して染色に使う文化があります。
蘇芳とはどのような植物なのか
Kew Scienceでは、スオウにあたるBiancaea sappanをマメ科の低木または小高木として扱い、ヒマラヤからインドシナにかけてを原産域としています。旧学名Caesalpinia sappanでも広く知られています。
材が赤系の染料になる
蘇芳は木材を色材として利用する染料植物です。花や葉の見た目をそのまま色名にしたものではなく、材を加工して染液を得ることで赤系統の色が現れます。
蘇芳はどんな色なのか
色名としての蘇芳は、落ち着いた深い赤です。鮮やかな紅色より渋みがあり、小豆色や臙脂色に近く感じることもあります。染色条件によって発色が動くため、歴史的な蘇芳染と一つのデジタル値は同一ではありません。
媒染で色調が変わる植物染料
植物染料は媒染剤との組み合わせによって色が変わります。蘇芳もその例で、赤だけでなく紫みや茶みを帯びた方向へ発色が変化することがあります。材料だけでなく技法も色を決める重要な要素です。
木から生まれる赤という特徴
茜は根、紅花は花弁、蘇芳は材というように、赤系の植物染料でも利用する部位は異なります。蘇芳を知ると、日本の赤が一種類の原料から作られてきたのではないことがよく分かります。
蘇芳と関係する色
代表色や、色名・文化・素材などで直接関係づけた色を表示しています。
出典・確認情報
スオウの現在の受容学名・原産域・植物分類を確認。染料文化の説明は既存の色文化資料と照合し、蘇芳は既存色DB suo と関連付ける。

