カラーユニバーサルデザインとは?見分けやすい配色と色覚多様性への配慮に関係する色を使ったアイキャッチ

カラーユニバーサルデザインとは?見分けやすい配色と色覚多様性への配慮

カラーユニバーサルデザイン(CUD)とは何かを、Web・資料・グラフの実務向けに解説。色だけに頼らない情報設計、コントラスト、見分けやすい配色、色しるべの色覚多様性チェックまで整理します。

色の見え方・科学

はじめて読む方へ|まず知っておきたい基本

この記事で出てくる基本用語を先に確認します。ここだけ押さえておけば、専門知識がなくても本文を読み進められます。

配色とは

配色とは、複数の色を目的に合わせて組み合わせることです。色相だけでなく、明るさ・鮮やかさ・面積・文字とのコントラストも見やすさに影響します。

コントラストとは

コントラストは、文字と背景など2つの要素の見え方の差です。デザインでは印象だけでなく、文字の読みやすさやアクセシビリティにも関わります。

カラーユニバーサルデザイン(CUD)とは、色の見え方の違いにかかわらず、できるだけ多くの人へ情報が伝わるように色を設計する考え方です。

まず結論

「赤と緑を使わない」のような単純な禁止ルールではありません。見分けやすい配色を選び、色だけに意味を背負わせず、文字・形・アイコン・線・パターンなどを組み合わせることが基本です。

この記事の色

記事テーマを視覚的に理解するための色見本です。概念に固定の公式色がない場合は教材表示として扱います。

← 左右にスライドできます →
教材色 1#3F6682
教材色 2#DDB04F
教材色 3#70A477
教材色 4#C96567
教材色 5#7862A1

色だけに頼らず、形と文字でも伝える

色の見え方には個人差があります。重要な情報は、色だけで区別せず、形・線・文字なども一緒に使うと伝わりやすくなります。

色だけ
色+形+文字
●状態A ▲状態B ■状態C

※ これは特定の色覚特性を再現するシミュレーションではなく、情報設計の考え方を示す図です。

カラーユニバーサルデザインとは?

色の見え方には個人差があります。同じ画面を見ても、色相の違いが分かりにくかったり、特定の色同士が近く見えたりする場合があります。

CUDO(カラーユニバーサルデザイン機構)は、CUDの考え方として「できるだけ多くの人に見分けやすい配色を選ぶ」「色を見分けにくい人にも情報が伝わるようにする」「色の名前を用いたコミュニケーションを可能にする」という3つのポイントを示しています。

1. 見分けやすい色を選ぶ

色相だけでなく、明るさや鮮やかさの差も確認します。

2. 色だけで伝えない

文字、記号、形、アイコン、線種、模様を併用します。

3. 色名でも伝える

「赤」「青」など、必要に応じて色名を併記します。

「赤と緑を避ければOK」ではない

カラーユニバーサルデザインでは、特定の2色だけを禁止すれば終わりではありません。色の組み合わせ、明度差、面積、文字サイズ、周囲の背景、情報の伝え方まで一緒に考える必要があります。

たとえばエラーを赤、成功を緑で示すUIでも、色に加えて「エラー」「完了」という文字や、×・✓などの形を併用すれば、色の識別だけに依存しない設計にできます。

色は使ってよい

W3CのWCAG 2.2も、色を使うこと自体を禁止していません。問題になるのは、情報・操作・状態の違いを色だけで伝えることです。

Web・資料・グラフで確認したい5つのポイント

確認項目 避けたい例 改善例
状態表示 赤と緑だけでNG / OKを区別 文字・アイコンも併用
グラフ 線の色だけで系列を区別 線種・マーカー・直接ラベルを追加
リンク 本文とリンクの違いが色だけ 下線など色以外の手掛かりを追加
文字 薄い文字を明るい背景に配置 文字と背景のコントラストを確認
地図・図解 似た色だけで領域を塗り分け 境界線・パターン・記号・ラベルを併用

文字と背景はコントラストも確認する

「色が違って見えるか」と「文字が読めるか」は別の確認です。WCAG 2.2では、通常サイズの文字は原則4.5:1以上、大きな文字は3:1以上のコントラスト比が基準になります。

ただし、コントラスト比を満たしていても、赤と緑のように「色そのものの違い」を理解しなければ情報が分からない設計では不十分です。コントラストと「色だけに頼らないこと」は両方確認します。

色しるべで配色をチェックする

色しるべの配色ジェネレーターでは、作成した2〜7色のパレットを、P型・D型・T型の参考シミュレーションでも並べて確認できます。

各条件で色同士がどの程度近づくかをΔE00で比較できますが、これは制作上の参考シミュレーションです。個人の見え方を診断するものではなく、WCAGにもシミュレーション後のΔE00について公式の合否閾値はありません。

シミュレーションだけで合否を決めない

色覚シミュレーションは、配色の問題を見つけるための便利な参考手段です。ただし、すべての人の見え方を完全に再現するものではありません。

最終的には、色だけで意味を伝えていないか、文字や記号があるか、コントラストは十分か、実際の画面サイズで読みやすいか、といった複数の観点を合わせて確認します。

カラーユニバーサルデザインの実務チェックリスト

  • 重要な情報を色だけで区別していない
  • エラー・成功・警告に文字やアイコンがある
  • グラフの系列に線種・マーカー・ラベルがある
  • 文字と背景のコントラストを確認した
  • 小さな色チップだけに意味を依存していない
  • 似た色が並ぶ場合、明度差や境界線も確認した
  • 色名で伝える必要がある箇所では色名を併記した
  • 色覚シミュレーションを「診断」ではなく参考確認として使っている

よくある質問

カラーユニバーサルデザインでは赤と緑を使ってはいけませんか?

一律に禁止されるわけではありません。見分けやすさを確認し、色だけで意味を伝えず、文字・形・アイコンなどを併用することが重要です。

コントラスト比が4.5:1ならCUDとして十分ですか?

十分とは限りません。4.5:1は主に文字と背景の読みやすさの基準です。情報の違いを色だけで伝えていないかも別に確認します。

色覚シミュレーションで同じ色に見えなければ問題ありませんか?

シミュレーションは参考です。個人差や表示環境もあるため、色以外の手掛かりを併用する設計が基本です。

Web以外でも考え方は使えますか?

はい。プレゼン資料、グラフ、地図、サイン、印刷物、パッケージ、UIなど、色で情報を伝える幅広い場面に応用できます。

参考資料