内川惠二
Keiji Uchikawa
神奈川工科大学 ヒューマンメディア研究センター 客員教授(researchmap掲載情報を参照)
公開論文・研究資料を色しるべ側で整理した研究環境です。研究者本人による監修・推薦・公式見解を示すものではありません。論文の結果と、色しるべ側の分析・可視化は区別して扱います。
研究者プロフィール
内川惠二は、色覚・色知覚、色カテゴリー、色恒常性、照明推定、明るさ・まぶしさなど、人の視覚が色や光をどのように知覚するかを扱う研究者です。公開論文には、OSA Uniform Color Scalesを用いた日本人の色カテゴリー研究、シーン内の色分布と光源推定、照明変化下の色恒常性、#TheDressの見え方の個人差などが含まれます。
研究テーマ
公開研究から見える主な研究軸
・色カテゴリーと色名:日本人観察者による色命名、basic color terms、focal colors
・色恒常性:照明が変わっても物体色が比較的安定して見える仕組み
・照明・光源推定:シーンの輝度・色分布から視覚系が照明をどう推定するか
・色の見え:同じ物理刺激でも背景・照明・観察条件で見えが変わる問題
・心理物理学:観察者実験を通じて色覚・明るさ・知覚条件を定量化する研究
研究方法・実験条件を見る
・OSA Uniform Color Scalesを用いた色命名・カテゴリー実験
・観察者による色名報告、無彩色設定、見えの判断などの心理物理実験
・照明条件・輝度・周囲刺激・色分布を操作した色恒常性実験
・色度・輝度・シーン統計と知覚応答の比較
・モデル仮説と観察者実験を組み合わせた検証
色しるべでは、この研究をどう使うか
色しるべでは、内川研究を「色値そのもの」と「人にどう見えるか」をつなぐ研究レンズとして使います。たとえば、同じ色名に複数HEXがあるときは単に資料差として並べるだけでなく、色カテゴリー・観察条件・照明条件の違いを分けて読む。色温度や周囲色を扱う記事では、数値変換だけでなく色恒常性・光源推定の研究条件を参照する。色名一覧では、色名を固定ラベルとして扱わず、カテゴリ境界やfocal colorの研究と関連付ける。#TheDressのような例は「どちらが正しい色か」ではなく、観察者がどの照明を推定するかで見えが変わる事例として扱います。
主要論文・研究資料
Keiji Uchikawa; Robert M. Boynton / 1987 / DOI 10.1016/0042-6989(87)90111-8 / PMID 3445472
出典を確認 →Keiji Uchikawa; Kazuho Fukuda; Yusuke Kitazawa; Donald I. A. MacLeod / 2012 / DOI 10.1364/JOSAA.29.00A133 / PMID 22330370
出典を確認 →Keiji Uchikawa; et al. / 2017 / DOI 10.1167/17.8.10 / PMID 28753686
出典を確認 →Takuma Morimoto; Takahiro Kusuyama; Kazuho Fukuda; Keiji Uchikawa / 2021 / DOI 10.1167/jov.21.3.7 / PMID 33661281
出典を確認 →Takuma Morimoto; Yasuki Yamauchi; Keiji Uchikawa / 2023 / DOI 10.1167/jov.23.2.7 / PMID 36780150
出典を確認 →山内 泰樹; 内川 惠二 / 1999 / DOI 10.24636/vision.11.1_1
出典を確認 →研究条件を横断比較する
論文タイトルだけでなく、何を問い、何を刺激にし、どんな条件を比較し、どこまで言えるのかを並べて確認します。
| 年 | 研究 | 研究課題 | 刺激・観察者 | 操作条件 | 主要結果 | 色しるべでの利用 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1987 | Uchikawa & Boynton 1987|Categorical color perception of Japanese observers Source → | 日本人の色カテゴリー知覚は、米国人の色カテゴリー知覚とどのように共通・相違するか。 | OSA Uniform Color Scales の424色。 日本語母語話者10名。比較対象として先行研究の米国人7名のデータ。 |
各色を観察し、選択した単一語(monolexemic)の色名で命名。日本人の命名結果を米国人データと比較。 | 要旨では、日本語・英語の双方で11のbasic color termsが確認され、基礎的な色感覚に共通性があるという結論が示されている。 | 色名DBを固定ラベルとして扱わず、色カテゴリー・focal color・言語間比較という研究軸を追加する。色名一覧、近似色、色系統HUBの研究注記に接続。 |
| 2012 | Uchikawa et al. 2012|Estimating illuminant color based on luminance balance of surfaces Source → | 人の視覚系は、シーン内の表面の輝度・色度分布から光源色をどのように推定するか。 | 異なる輝度・色度分布を持つ複数の表面からなる視覚刺激。 観察者による心理物理実験。詳細な人数・採用条件は原文参照。 |
シーン内の表面の輝度バランスと色度分布を操作し、知覚される光源色・白色設定との関係を比較。 | 表面の輝度バランスが光源色推定に寄与し、色恒常性を説明する手がかりになり得ることを示す。 | 色温度・照明・色恒常性の記事に、単純な色温度変換だけではない『視覚系がシーンから光源を推定する』視点を追加する。 |
| 2017 | Uchikawa et al. 2017|Understanding individual differences in color appearance of #TheDress Source → | #TheDressで、同じ画像が観察者によって白/金または青/黒に見える個人差を、照明推定で説明できるか。 | #TheDress画像と、その輝度分布・想定光源色温度を扱う理論解析および観察者実験。 観察者実験を実施。詳細な人数・条件は原文参照。 |
optimal color hypothesisを用いて、画像輝度と最適色分布から推定される光源色温度の変化を解析し、観察者実験で検証。 | 要旨では、輝度レベルの変化により推定される最適光源色温度が急に切り替わり、それが白/金と青/黒の見え方の違いを説明し得ると報告している。 | 『同じRGBなら同じ色に見える』という誤解を避け、色の見え・照明推定・観察条件の重要性を示す代表事例として色覚・色恒常性・画像色の記事へ接続。 |
| 2021 | Morimoto et al. 2021|Human color constancy based on the geometry of color distributions Source → | 人間はシーン内の色分布の幾何学的構造を利用して、光源色を推定し色恒常性を実現できるか。 | 中央のテスト刺激1個と周囲60個、合計61個の均一色六角形からなる刺激。周囲60色の色分布形状を条件ごとに操作。 公開本文の図・結果では4名の観察者の設定を比較。 |
3つの心理物理実験。観察者は中央刺激を、テスト光源下の完全な白色表面に見えるよう色度・輝度を調整。複数の色分布条件と光源条件を比較。 | 色分布の幾何学的構造を利用するoptimal color modelは、多くの条件で観察者の光源色度推定と比較的よく一致し、色恒常性に色分布形状が利用される可能性を支持した。 | 色恒常性ラボの基礎にし、単一色ではなく『シーン内の複数色の分布』を入力として照明推定を考える研究ツールへ発展させる。 |
| 2023 | Morimoto et al. 2023|Invariant categorical color regions across illuminant change coincide with focal colors Source → | 照明が変化しても比較的安定して維持される色カテゴリー領域は、focal colorsとどのような関係にあるか。 | 複数の照明条件下で提示される色刺激。色カテゴリー領域とfocal colorの位置関係を分析。 観察者による色カテゴリー判断を含む実験。詳細な人数・条件は原文参照。 |
照明条件を変え、色カテゴリーの領域がどの程度維持されるかを比較。focal colorsとの対応を検討。 | 照明変化に対して不変性の高い色カテゴリー領域がfocal colorsと対応するという結果を報告している。 | 色名正本・色系統HUB・代表色選定に『単なるHEX中心値』ではなく、カテゴリー内の代表性と照明変化への安定性という研究軸を加える。 |
| 1999 | Yamauchi & Uchikawa 1999|輝度勾配刺激に対する表面色モード知覚の限界輝度条件 Source → | 刺激や周囲に輝度勾配があるとき、表面色モードから開口色モードへ移る限界輝度はどのように変化するか。 | CRT上のテスト刺激とMondrian型周囲刺激。上向き/下向きの輝度勾配、複数の勾配方向と周囲配置。 観察者がテスト色の輝度を調整する心理物理実験。詳細人数は原文参照。 |
テスト刺激と周囲刺激の輝度勾配方向、周囲配置を操作。観察者はテスト色が部分的に開口色モードに見え始める限界まで輝度を調整。 | 限界輝度は単純な輝度勾配の有無だけでは大きく変わらず、テスト刺激の勾配方向が周囲と反対の場合には限界が低下した。視覚系が照明勾配を割り引いて表面色を知覚する可能性が示唆された。 | 内川Lensの『照明を割り引く色恒常性』と、山内Lensの『色の見え・表面色モード』をつなぐ共有Source。Researcher Comparisonで共通研究の実例として扱う。 |
この研究レンズにつながる色しるべ
この研究レンズを使うときの注意
このResearcher Lensは公開論文・公開研究情報を色しるべ側で整理したものです。内川惠二本人の監修・推薦・公式見解を示すものではありません。また、個別の実験結果には刺激条件・観察者数・色空間・照明条件などの制約があります。研究結果を一般的な「色の心理効果」やすべての人の見え方へそのまま一般化せず、各Sourceの実験条件と限界を確認して使います。








